こんばんわ609工房です。
エイジング塗装って面白いですよね。エイジングには「時間を経る」という意味があり、重ね塗りしたりわざと塗装を剥がしたりして、アンティークの様な古めかしい風合いに仕上げる工法の事を言います。
古めかしいと言っても実際に建材を痛めたり腐らせたりする訳ではなく、塗装技術によって経年劣化の傷や錆びを表現するのがエイジング塗装というものです。
塗装の中でも人気が高く、その割に職人は少ないと言われているエイジング塗装。あまり決まったやり方というものが無く、独創力が必要となるところも魅力ですが、基本となる幾つかの技術が存在します。
①シャビ―風加工
木材に白を塗った後、サンドペーパーによる「剥がし」や海綿で塗装面を叩いたり、擦ったりすることによって古ぼけた感じを演出していく工法。
②剥がれの演出
塗料が自然にボロッと剥がれた感じを出すため、木材の剥がれてほしい部分にあらかじめ「剥がれてしまう液体」を塗っておき、その上から塗装する工法。建材を叩いたり擦ったりして狙いの箇所を剥がれさせる。
ひび割れを演出するクラック塗装等も似たやり方です。
③金属劣化の演出
ベースとなる黒の塗料を建材に塗り、その上に「たたき」という技術で塗装していく。たたきで使う塗料は黒やグレーだけでなく、赤、オレンジなどの塗料も混ぜたもの。
「海綿」を手で裂いたりして、そのでこぼこ面やいびつな面を利用して自然なビンテージ感を出していく。
④汚し塗装
塗装し終わった面に霧吹きで水を噴きかけスポンジでたたきながら水分をふき取っていき、塗装面を汚す工法。
これらの基本的な技術を組み合わせて様々な風合いを出していくのがエイジング塗装。
他にも雨によって汚れたような模様を演出する「雨だれ」という技術や、木目や大理石模様を擬似塗装で演出する「フォーフィニッシュ」、砂を使った塗装技術、「サンドペイント」など様々あり、ほんとに奥深いです。
それでは今日はこの辺で
609工房でした。
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